芦屋の文化と歴史を文学の視点で綴る・谷崎潤一郎記念館へようこそ
 
2024年秋の特別展「モノクロームの繚乱~色彩の谷崎潤一郎~」 会期 2024年9月14日(土)~12月8日(日)

 昨今のAI、その技術革新には目を見張るものがあり、さまざまな方面に広がりを見せています。「モノクロ写真への彩色」も、その一つでしょう。コンピューターが、白と黒との濃淡・風合いの微妙な差から、本来の色合いを割り出し彩色します。その「AIによる彩色」に、経験豊かな「写真のプロ」の職人技が、調整をほどこしていきます。すると、モノクロームの永い眠りについていた彩りの数々が、たしかなリアリティーをもって、鮮やかによみがえってくるのです。

 AIと人間の技術とによる「色彩の魔法」。その魔法を、館所蔵のモノクロ写真にかけてみると、どうなるか。

 人生の節目ごとにみせる文豪の表情が色づくと、はたして印象はどう変わるのでしょうか。谷崎をとりまく女性たちの肌合いや眼差し、そして身につけていたそのキモノの色々にも興味は尽きません。「細雪」の時代の六甲山は、傑作の舞台となった芦屋の街並みを抱きながら、作中の叙述そのままに明るく輝いています。その主人公たちのいで立ちはまた、予想どおりのきらびやかさ……。

 モノクロームの封印を解き放たれた色彩が、文豪谷崎とその作品世界を新たに染め上げていきます。



■特別展開催時の記念館入場料は一般600円、65歳以上300円、高校・大学生400円、中学生以下無料となります。

 
2024年度冬の特設展「幻想・怪奇・グロテスク~暗黒と流血の谷崎潤一郎~」 会期 2024年12月14日(土)~2025年3月9日(日)


 谷崎潤一郎といえば、女性美を描き続けた「美の作家」というイメージが強いのではないでしょうか。

 しかし、じつはそれだけではないのです。

 大正時代を中心に、昭和初期くらいまでの谷崎には、幻想や怪奇に彩られ、時にグロテスクな様相すら漂わせる作品も少なくありません。

 人魚や魔術師を主題にした幻想的な物語、「女首」(討ち取った印の鼻を削がれた生首)に魅入られた武将が主人公の時代小説、悪女が仕掛ける血みどろの戯曲、 人の顔をした腫物の笑いが映画の中で不気味に輝くホラータッチのストーリー……。

 谷崎のもつ一面、「暗黒と流血の文豪」としての顔に焦点をあてていきます。

 



■特設展開催時の記念館入場料は一般500円、65歳以上250円、高校・大学生300円、中学生以下無料となります。

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© Tanizaki Junichiro Memorial Museum of Literature,Ashiya.