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女性とその美に終生関心を寄せつづけ、描きつづけた谷崎潤一郎。80年にもおよぶその生涯の道のりを、様々な女性たちが行き交っていきました。
想いを抱きつづけた美しい母、三人の妻たち、お気に入りだった女優・・・。名作のモデルとなった女性も多々あります。
いつも多くの女性とともにあった谷崎。「フェミニスト(女性崇拝者)」であることを自認し自負してもいた谷崎。
数々の女性たちによって縁どられた文豪の肖像はいかにも花やかにみえますが、その表情は思いのほかに複雑なのです。
女というものは神であるか玩具であるかのいずれかである。「蓼喰う虫」の主人公が吐露したこの心境は、谷崎じしんの胸中でもあったのでしょう。
この謎めいた言葉が物語る女性との関係性は、はたしてどのようなものだったのでしょうか。
女たちのからまりあう眼差しに照らされて、ようやく人として作家としての谷崎の輪郭が浮かびあがってきます。
「女性なるもの」と文豪との、また、その作品世界とのかかわりを解き明かします。
■特別展開催時の記念館入場料は一般500円、65歳以上250円、高校・大学生300円、中学生以下無料となります。
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