谷崎潤一郎記念館「俳句講座」
平成二十年五月二十四日(土・雨)
兼題 カーネーション
席題 草笛
黒川悦子選
萎れても八重なる気配カーネーション 相坂よしの
草笛を一気に吹けば空近し
朝の卓カーネーションの置かれ居し 入谷千恵子
草笛や鳶が上空舞うてをり
一本の赤の存在カーネーション 河野ひろみ
草笛のたまに鳴る音フラットで
カーネーション家事サボる日の免罪符 桜田育子
葉からまず選び選んだ草笛よ
母として生きカーネーションとともに逝く 佐藤千枝子
草笛のうまき少年はにかみて
今日が主役赤いカーネーション溢る 下井定子
草笛を聴くはるかなる空の果て
お土産はカーネーションや町内会 高杉靖子
カーネーション一本の茎の長さかな
三人の子の名に届くカーネーション 玉手のり子
草笛の牧の広さを渡り行く
カーネーションだけは息子もわかる筈 深尾真理子
草笛や旋律いつも不確かに
元気でと贈るピンクのカーネーション 南 妙子
草笛に還らざる日々懐しみ
選者吟
末の子も贈ってくれしカーネーション
草笛のうまくなりたる帰り道